2009年8月9日日曜日

ゆらぐ脳

池谷裕二 木村俊介著

「進化しすぎた脳」という本が脳に興味を持つきっかけとなった。
その本の著者が池谷裕二さん。世界で認められた脳の研究者、すごい方みたい。
文章がとてもわかりやすくおもしろい。

この本は研究生活についてインタビュー形式で書かれていて、どういうことを研究されているかがわかると同時に研究者の仕事を垣間見ることができ、とても興味深い。

そして今回の発見は「分かる」について。このように書かれている。

人間はものごと分解すると分かることが多い。
しかし著者は脳の神経細胞のシステムについてなるべく分解しない方法で研究している。
「分解してしまったら、分からなくなるものがあるのではないか」

人間は分解することで分かったと思うけれども、分解をしてしまったら分からなくなるものがあり、ただ分解しないと分からないのは、私達の脳が分解しないで理解する能力を使用していないからだ、というようなことが書かれている。分解しないで理解するには脳の理解力を上げるなどしなければならない。

驚いた。新しい考え方だった。すごい!

もう一つ、スンクスという動物が嘔吐することのできる動物として出てくる。
嘔吐というのは高度な機能で、ねずみやうさぎは嘔吐ができないらしい。
なぜ、高度か?
例えばねずみが毒物かもしれない餌に遭遇したら少しかじって、体に影響があるか待たなければならない。毒がなかったと思って餌を再度取りに行った時にはもう取られてしまっているかもしれない。しかし、もし嘔吐することができれば全て食べてしまって毒があれば後から吐けばいい。と書いてある。

生物ってすごい。驚きばかり。