2011年10月8日土曜日

「ひとり会議」の教科書

山崎拓巳著

一日一度、自分との時間を持つことの重要さとそのやり方を書いた本である。
速く、忙しく過ぎていく毎日、「あれもやりたいな、これもやりたいな」と思っていても、目の前のことに謀殺されて、結局できないまま終わってしまう。私なんかよくあるのは、「やりたいな」と思っていたこと自体をすっかり忘れてしまっている。いい例が美術展である。あっ観に行きたいなと思っても、ほとんど実現しない。
著者が提案しているのはFranklin Plannerでいうところの、緊急じゃないが重要な時間を持つことと、その時間の使い方である。
イラストたっぶりの文字も少なめ、軽い感じの本なので息抜きに読めるが、実際の生活に取り組みたいこともなかなかある。いいなと思ったのが、「うれしかったことを3つあげる」、これは自分との会議中にうれしかったことを3つ書いてみるということだが、書いてみると意外と小さなことでも「うれしい」ことがあるんだと気がつき、精神衛生上よい。
自分らしさを書き換えるの項目で出てくる「すでにうまくいったふりをして生きる」とは、人間の脳はほんの数パーセントしか使われておらず、残りの部分を使うことができれば、夢なんかもかなってしまう、そのためには「自分はこうだ」という観念から離れてみる。そのために「すでにうまくいったふりをして生きる」。これは冗談みたいな気もするけれども、重要だと思う。ふりをするには上手く想像しなければいけない。想像ができるということは実現する可能性も高くなる。想像をし続けると想像をした方向に自分自身が向かうものである。